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食いしばりの原因と症状、鍼灸による改善方法
食いしばりに対する当院の施術
当院では、食いしばりの改善において「原因となっている筋肉の過緊張」と「その背景にある自律神経の乱れ」の両方にアプローチすることを大切にしています。
具体的には、咬筋・側頭筋はもちろん、顎関節の動きに関わる周辺の筋肉、さらに首や肩にかけての筋緊張にも鍼を用いてアプローチし、硬くなった筋肉をゆるめていきます。あわせて、自律神経のバランスを整えるツボへの施術を組み合わせることで、交感神経の過剰な興奮を鎮め、体が本来持っているリラックスモードである副交感神経が働きやすい状態へと導いていきます。
筋肉と自律神経の両面から施術を行うことで、その場限りの緩和ではなく、食いしばりが起こりにくい体づくりを目指せる点が当院の特徴です。

食いしばりでよくみられる東洋医学的な体質
東洋医学では、食いしばりは「気」の巡りの乱れや、特定の臓腑の機能低下と関連づけて考えられます。中でも代表的とされる体質には、以下のようなものがあります。

肝気鬱結(かんきうっけつ)
ストレスや緊張によって「肝」の働きが滞り、気の巡りが悪くなっている状態です。イライラしやすい、緊張しやすい、噛みしめが強いといった方に多くみられます。
肝陽上亢(かんようじょうこう)
肝の機能の乱れが上半身、特に頭部や顔面に熱や緊張として表れる状態です。こめかみの張りや頭痛、目の疲れなどを伴いやすい傾向があります。
心脾両虚(しんぴりょうきょ)
過度な思考やストレスによって「心」と「脾」の働きが弱り、気血が不足している状態です。不眠や睡眠の質の低下を伴い、就寝中の歯ぎしりにつながりやすいとされます。
これらの証は一つだけが単独で現れるとは限らず、複数が組み合わさっていることも珍しくありません。例えば、日中は肝気鬱結によるイライラや緊張から強く噛みしめ、夜は心脾両虚による睡眠の浅さから歯ぎしりをしてしまう、といったように、時間帯や状況によって異なる証が絡み合っているケースもよくみられます。当院では問診や脈診、お腹の状態などから体質を見極め、その方に合ったツボを選定して施術を行っています。
食いしばりに対する鍼灸施術の症例
〈症例〉30代女性 デスクワーク中心・慢性的な顎の張りと頭痛
もともと責任のある仕事に就いており、常に緊張感の強い状態が続いていたとのことでした。数年前から朝起きると顎がだるく、こめかみのあたりに重だるい痛みを感じるようになり、歯科で「食いしばりによるもの」と指摘されたことをきっかけにご来院されました。
初診時は咬筋・側頭筋ともに強いこわばりがみられる状態でした。咬筋・側頭筋への鍼施術に加え、気の巡りを整えるツボ、自律神経を落ち着かせるツボを組み合わせて施術を行いました。
週1回のペースで施術を継続したところ、3回目あたりから朝の顎のだるさが軽減し、5回目を過ぎたころには頭痛の頻度も明らかに減少。ご本人からは「気づいたら歯を噛みしめていることが減った」「夜の眠りが深くなった気がする」とのお声をいただいています。現在はメンテナンスとして月1〜2回のペースで施術を継続されています。
食いしばりとは?

食いしばりとは、上下の歯を無意識に強く噛み合わせてしまう癖のことを指します。医学的には「クレンチング」と呼ばれ、就寝中に歯をこすり合わせる「ブラキシズム(歯ぎしり)」とあわせて、広い意味での「上下歯列接触癖」の一種として扱われることもあります。本来、上下の歯が接触しているのは食事や会話の瞬間だけで、1日のうちわずか数十分程度とされています。しかし食いしばりの癖がある方は、日中や睡眠中を問わず、長時間にわたって歯を接触させ続けてしまいます。
食いしばりでよくみられる症状
食いしばりが慢性化すると、以下のような症状が現れやすくなります。
• 起床時の顎のだるさ、痛み
• 頬骨のあたりや、こめかみの張り・痛み
• 歯がすり減る、欠ける、しみる
• 顎関節がカクカク鳴る、口が開けにくい
• 慢性的な頭痛や肩こり
• 耳の奥のつまり感、めまい
これらの症状は歯科的な問題として片づけられがちですが、実際には筋肉の過緊張や自律神経の乱れが深く関わっているケースが多く、鍼灸によるアプローチが効果を発揮しやすい分野でもあります。
また、食いしばりの厄介なところは、本人にほとんど自覚がないという点です。「気づいたら奥歯を強く噛んでいた」「集中しているときほど顎に力が入っている」といったように、日中のふとした瞬間や、就寝中の無意識のタイミングで起こることが多く、慢性的な症状として蓄積してから初めて気づく方が少なくありません。放置すると顎関節や歯だけでなく、首・肩まわりの筋肉にも負担が波及し、全身のコリや不調につながっていくこともあるため、早めのケアが大切です。
食いしばりの原因
医学的に考えられる主な原因
食いしばりの背景には、いくつかの要因が複合的に絡み合っています。中でも近年特に注目されているのが「ストレスによる交感神経の過剰な反応」です。
私たちの体は、緊張や不安、プレッシャーを感じると自律神経のうち交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、体は無意識に「戦闘態勢」をとろうとし、全身の骨格筋を収縮させやすい状態になります。その代表的な現れ方のひとつが、顎まわりの筋肉、特に咬筋と側頭筋の緊張なのです。
咬筋は下顎を引き上げて強く噛む動作を担う筋肉で、頬骨からエラにかけて広がっています。側頭筋はこめかみから側頭部にかけて広がり、咬筋と協調して顎を閉じる働きをしています。ストレスによって交感神経が過剰に働くと、この二つの筋肉が慢性的に収縮しやすくなり、本人が意識しないうちに歯を強く噛みしめてしまう状態、つまり食いしばりへとつながっていきます。さらに交感神経の緊張状態が続くと血流が悪化し、咬筋・側頭筋のこわばりがさらに強まるという悪循環に陥りやすいことも特徴です。
このほか、以下のような要因も食いしばりを助長すると考えられています。
• デスクワークやスマートフォン操作による前かがみ姿勢での噛みしめ
• 睡眠の質の低下、浅い睡眠による歯ぎしり
• 噛み合わせのズレや歯並びの影響
• 集中作業時の無意識な噛みしめ癖
つまり食いしばりは単なる「癖」ではなく、精神的な緊張が自律神経を介して筋肉に表れる、いわば心と体をつなぐサインとも言えるのです。
さらに、咬筋・側頭筋の緊張は互いに影響し合う関係にあります。側頭筋がこわばると咬筋にも力が入りやすくなり、逆に咬筋の過緊張が続くと側頭筋やその周辺の頭皮の筋膜まで硬さが波及していきます。この連動性があるからこそ、食いしばりによる不調は顎だけにとどまらず、頭痛やめまい、首・肩のこりといった形で全身に広がりやすいのです。ストレス社会と言われる現代において、交感神経が優位な時間が長くなりがちな生活スタイルそのものが、食いしばりを引き起こしやすい土壌になっているとも言えるでしょう。

世田谷区で「食いしばり」にお悩みなら、お気軽にご相談ください
三茶はりきゅう院では、食いしばりに対して、東洋医学的考え、西洋医学的考えを踏まえ丁寧な評価と施術を行っています。「病院で様子を見るよう言われた」「痛みに長年耐えている」「注射や飲み薬でどうにか耐えている」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
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