顎の痛みや違和感、放置していませんか?

◯ 朝起きると顎がだるい

◯ 口を大きく開けると痛みがある

◯ 会話や食事のときに顎がカクカク鳴る

 

──そんな経験はありませんか?

 

これらの症状の背景には、顎関節症(TMJ障害)が潜んでいることがあります。

 

顎関節症は、顎関節や咀嚼筋の働きの不調によって生じる症状の総称です。痛みや開口障害、関節音などが代表的ですが、初期は自覚症状が軽く、日常生活に大きな支障を感じないこともあります。

 

そのため、気づかないまま症状が慢性化し、肩こりや頭痛、首のこりなど全身症状につながることも少なくありません。

 

日常生活の中で、「顎のだるさ」「口を開けにくい」「カクカク音がする」といった小さな違和感を見過ごさず、早めに対処することが、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻す第一歩です。

 

顎関節症とは?

──医学的背景と症状の特徴

 

顎関節症は、顎関節や咀嚼筋(咬筋・側頭筋など)の機能異常によって生じる症状の総称です。医学的には「TMJ障害(Temporomandibular Joint Disorder)」とも呼ばれ、顎の痛み開口制限関節雑音などが主な特徴です。特に20〜40代の女性に多く見られる傾向があります。

 

主な症状

 

顎関節の痛み口を開けたり食事をしたりすると痛む

開口障害:口が大きく開けられない、開けるときに引っかかる感覚

関節雑音:カクカク、パキパキという音がする

咀嚼筋のこり・痛み:咬筋や側頭筋の張り、フェイスラインの緊張

頭痛・耳周囲の違和感:首肩こりや耳鳴りと併発することもある

症状の背景

 

顎関節症は、顎関節そのものの異常だけでなく、咀嚼筋首肩周囲の筋肉の緊張姿勢の悪さ心理的ストレスなど複合的な要因が絡んで発症します。そのため、単に顎だけを保護しても症状が改善しにくいことがあります

顎関節症の理解には、局所の異常と全身のバランスの両方を意識することが重要です。適切なケアを行うことで、痛みや違和感を軽減し、顎の動きをスムーズに取り戻すことが可能です。

 

原因とリスク要因

──なぜ顎関節症になるのか?

 

顎関節症は、単一の原因で起こるわけではなく、複数の要因が重なって発症すると考えられています。主な原因やリスク要因は以下の通りです。

 

1. 咬み合わせの異常


歯の位置や咬合のズレがあると、顎関節や咀嚼筋に過剰な負担がかかります。歯科治療後に症状が強く出るケースもあります。

 

2. 食いしばり・歯ぎしり(ブラキシズム)


睡眠中や日中の無意識の噛みしめによって、咀嚼筋や顎関節が慢性的に緊張します。特にストレスや集中時に起こりやすい傾向があります。

 

3. 心理的ストレス


精神的な緊張や不安は、顎周囲の筋肉を無意識に硬直させ、症状を悪化させる要因となります。

 

4. 外傷や姿勢の影響


事故や打撲による顎関節の損傷、首肩の緊張、猫背など姿勢の悪さも顎関節症を助長します。

 

5. 生活習慣


硬い食べ物の頻繁な摂取、長時間のスマートフォン操作やパソコン作業など、顎を使う生活習慣もリスクに関わります。

 

 

東洋医学からみた顎関節症

──気・血・筋肉のバランス不調

 


東洋医学では、顎関節症を単なる顎や歯の問題として捉えるのではなく、全身の「気・血・筋肉の調和の乱れ」として考えます。

 

1. 肝気の高ぶりと筋肉の緊張


「肝」は気血の流れを調整し、筋肉や腱の働きを司るとされます。ストレスや精神的な緊張が続くと「肝気が高ぶる(肝気鬱結)」状態となり、咀嚼筋や肩首の筋肉が過度に緊張しやすくなります。その結果、顎関節の痛みや開口障害につながります。

 

2. 気滞と血流の停滞


気の巡りが滞る「気滞」や、血の流れが悪くなる「瘀血」は、顔面や首肩周囲の筋肉の硬さやだるさを生みます。慢性的な肩こりや頭痛と関連することも多く、顎関節症の症状を悪化させる要因になります。

 

3. 全身のバランスからのアプローチ


顎関節症は局所の問題であると同時に、心身のバランスの乱れの現れともいえます。鍼灸では顎周囲だけでなく、肝気や腎気を整える経穴(ツボ)、自律神経に関わるツボを組み合わせることで、全身の調和を取り戻すことを目指します。

 

 

当院の鍼灸施術と顎関節症への対応

 

当院では、顎関節症による痛みや顎の緊張、関連する全身症状に対して、局所全身の両面からアプローチしています。

 

 

局所への施術

 

顎周囲の咬筋や側頭筋、下関などの咀嚼筋には鍼を用いて直接アプローチします。場合によっては鍼通電(パルス)を行い、血流改善と筋肉の持続的弛緩を促します。これにより、顎の痛みや開口時の違和感を軽減できます。

 

全身施術

 

顎関節症はストレスや自律神経の乱れとも深く関わるため、全身のバランスを整える施術も重視します。

 

代表的なツボとしては、

合谷(手の甲):顔面や咀嚼筋の緊張を和らげる

太衝(足の甲):肝気の高ぶりを鎮める

足三里(膝下):全身の気血循環改善

これらのツボを組み合わせ、顎だけでなく肩こり頭痛などの随伴症状も同時に緩和します。

 

灸によるリラックス効果

 

お灸で首肩や顎周囲を温めることで、筋肉の緊張を和らげ、精神的なリラックスも促します。睡眠の質改善にもつながるため、慢性的な顎関節症の症状を軽減する助けとなります。

 

継続的なケア

 

顎関節症は慢性的な生活習慣ストレスが関与するため、一度の施術で完全に症状が消えることは少なく、継続的な施術が効果的です定期的に鍼灸で全身と局所のバランスを整えることで、快適な食事と日常生活を取り戻すことができます。

 

 

病院での治療と併用の有効性

 

顎関節症に対する一般的な医療機関での治療は、顎関節や歯への負担を軽減することが主な目的です。代表的な方法には以下があります。

 

マウスピース(ナイトガード)


就寝時に装着することで歯の摩耗や欠けを防ぎ、顎関節への負担を軽減します。

咬合調整や歯科治療


歯並びや咬み合わせのズレを修正し、顎関節の安定を図ります。

薬物療法・物理療法


鎮痛薬や筋弛緩薬、温熱や低周波刺激で痛みや筋緊張を緩和します。

 

一方、鍼灸は症状の背景にある心身のバランスの乱れに着目します。

 

顎周囲の筋肉緊張を和らげるだけでなく、肝気や腎気の調整、自律神経の安定を通して再発しにくい状態を作ることが可能です。

 

また、肩こり首こり頭痛睡眠障害など、顎関節症に関連する全身症状の改善にも効果があります。

 

つまり、

 

歯科治療=顎や歯を「守る」アプローチ

鍼灸治療=原因を整え、全身症状を「改善する」アプローチ

両者を併用することで、顎関節への負担を軽減しつつ、症状の根本改善も目指せます顎関節症の改善には、こうした併用療法がより効果的といえるでしょう。

 

 

最後に 〜快適な咀嚼と日常生活を取り戻すために〜

 

顎関節症は、顎だけの問題にとどまらず、肩こりや頭痛、首のこり、さらには睡眠の質まで影響を及ぼすことがあります。

 

鍼灸による施術は、顎周囲の筋肉の緊張を和らげるだけでなく、全身の気・血・筋肉のバランスを整え、ストレスや自律神経の乱れも改善します。

 

そのため、痛みや違和感の軽減だけでなく、再発しにくい体づくりにもつながります。

 

日常生活では、以下のポイントを意識することで、症状の悪化を防ぐことができます。

 

◯無意識の食いしばりや歯ぎしりに注意する

 

◯肩や首のストレッチ、姿勢改善を心がける

◯ストレス緩和のための深呼吸やリラックス法を取り入れる

顎関節症は慢性化すると生活の質に大きく影響します。早めに原因にアプローチし、日常生活でのセルフケアと併せて継続的に体を整えることが、症状の改善への近道です。

 

顎の痛みや違和感を放置せず、自分の体と向き合うことで、快適な食生活を取り戻しましょう。

 

 

 

顎関節症でお困りの方、

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東洋医学の視点で、症状に合わせたオーダーメイドの施術であなたの顎関節症を全力でサポート致します。

 

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