頭痛や肩こりは目のせいかも?眼精疲労が引き起こす意外な全身不調

眼精疲労とは

眼が重い

ピントが合わない

「夕方になると頭痛がしてくる」

そんな経験はありませんか?

 

現代人の多くが抱えるこの悩みの正体が、眼精疲労です。

 

単なる「疲れ目」と違い、眼精疲労は 休んでも十分に回復しにくく、頭痛・肩こり・集中力低下など全身に影響を及ぼす状態 を指します。

 

パソコンやスマートフォンの長時間使用が当たり前になった今、世代を問わず増えている症状です。

 

「年齢のせいかな」「仕事だから仕方ない」とあきらめてしまう方も少なくありません。ですが、眼精疲労はきちんとした理解と対処をすれば改善可能な症状です。生活の質を下げ続ける前に、原因を知り、正しくケアしていくことが大切です。

 

 

医学的背景と原因

 

眼精疲労は、単に「目を使いすぎた」という一面的な問題ではなく、視覚機能・自律神経・筋肉・血流 の複雑なバランスが崩れることで起こります。

主な原因は以下の3つに分類されます。

 

① 調節機能の疲労

ピントを合わせる毛様体筋の緊張が続くと、遠近の切り替えがうまくいかなくなります。

特にスマートフォンやパソコンの画面を長時間見続けることで、近距離に焦点を固定したままの状態が続き、筋肉が過緊張を起こします。

② 自律神経の乱れ

長時間のデジタル作業は交感神経を優位にし、瞳孔や血管の調節を担う自律神経のバランスを崩します。結果として 目の周囲の血流が悪化し、酸素・栄養供給が滞る ことで疲労が回復しにくくなります。

③ 頸肩部の筋緊張

デスクワーク姿勢による首・肩のこりも大きな要因です。

僧帽筋や肩甲挙筋などの持続的緊張が、眼への血流や神経伝達に影響し、「目から肩こり」「肩から目の疲れ」という悪循環を生じさせます。

眼精疲労はこれら複数の因子が相互に作用する「全身的な機能障害」として捉えるべき症状です。

そのため、単に目薬をさすだけでは根本改善にはつながらず、体全体のバランス回復が求められます。

 

 

症状とメカニズム

 

眼精疲労の症状は「目の疲れ」だけに留まりません。目の構造と神経系は全身と密接に連動しているため、症状は身体的・精神的の両面に広がります。

 

1. 眼局所の症状

最も一般的なのは 眼痛かすみ焦点が合いにくいまぶしさ(羞明) などです。

毛様体筋の過緊張によりピント調節が持続すると、視界が一時的にぼやけたり、光がにじんで見えることがあります。

また、ドライアイを伴うと「砂が入ったような異物感」や「充血」が生じ、まばたきによる痛みが増します。

2. 全身への波及症状

眼の疲労信号は三叉神経系を介して中枢へ伝わり、頭痛・首肩こり・めまい・吐き気 などを誘発します。

また、自律神経系が関与するため、倦怠感・集中力低下・不眠 といった全身症状を伴うことも多いです。

特にストレスや睡眠不足と組み合わさると、症状は慢性化しやすくなります。

3. メカニズムの背景

眼精疲労では、視覚情報を処理する脳の後頭葉や、調節反射を司る中脳の働きにも負担がかかります。

長時間の視覚刺激は視覚野の過活動を引き起こし、交感神経優位を強めます。

 

結果として瞳孔や血管の調整が乱れ、眼周囲の血流低下 → 酸素供給不足 → 疲労物質の蓄積 という悪循環が形成されます。

 

このように、眼精疲労は「目の筋肉」「神経系」「循環系」が複雑に関わる全身性の問題です。

単なる疲労感と捉えず、体全体のバランスの乱れとして理解することが重要です。

 

西洋医学的な治療

眼精疲労の治療は、原因の特定と除去が基本となります。

眼科ではまず視力・屈折異常・ドライアイ・眼位(眼の位置ずれ)などを精密に検査し、問題点に応じて治療が行われます。

 

1. 視力・調節異常への対応

近視や乱視、老視などがある場合は、適切なメガネやコンタクトレンズの使用が勧められます。

特に「度数が強すぎる」「乱視補正が不十分」などの誤った矯正は、毛様体筋への負担を増し、眼精疲労を悪化させることがあります。

近年では、遠近両用レンズやデジタルワーク専用の「中間距離レンズ」が有効な場合もあります。

2. ドライアイへの治療

涙液の不足や質的異常に対しては、人工涙液点眼薬やヒアルロン酸製剤が用いられます。

慢性的なドライアイでは、涙点プラグによる涙の保持や、抗炎症点眼薬(シクロスポリン系)の投与が行われることもあります。

3. 筋緊張・循環障害への対応

頸肩部のこりが強い場合は、温罨法(温め療法)やストレッチ、姿勢指導などが勧められます。

また、眼精疲労に伴う頭痛や肩こりに対しては、筋弛緩薬・ビタミンB群・血流改善薬 が処方されることもあります。

 

鍼灸によるアプローチ

鍼灸は、眼精疲労に対して 自律神経の調整局所血流の改善筋緊張の緩和 を目的として行われる有効な補完療法です。

西洋医学が「原因の特定と対処」を中心に行うのに対し、鍼灸では「全身の機能バランスを整える」ことで症状の再発を防ぎ、根本的な回復を図ります。

 

 

1. 東洋医学的な考え方

東洋医学では眼精疲労を「肝血不足」「気滞」「瘀血」などの状態として捉えます。

肝血不足:目を滋養する血が不足し、乾燥感やかすみが出やすい

 

気滞・瘀血:目の周囲や首肩の血流が滞り、痛みや重だるさを感じる

肝火上炎:ストレスや怒りが蓄積し、のぼせ・充血・まぶしさが出る

これらの体質・状態に応じて、全身の気血の流れを整えながら、眼周囲への血流改善を図ります。

2. 鍼灸治療の目的と生理学的効果

鍼刺激により、眼周囲および後頭部・頸部の血管拡張が促進されます。

これにより酸素供給が改善し、乳酸などの疲労物質が排泄されやすくなります。

さらに、鍼刺激は中枢神経系にも作用し、交感神経の過剰興奮を抑制 して副交感神経を優位に導くため、目の緊張が自然に緩みます。

加えて、鍼通電(パルス療法)は、僧帽筋・後頭下筋群の筋緊張を和らげるとともに、局所血流を増加させ、頭部・眼への循環を改善することが確認されています。

3. 主な配穴例

局所:晴明、攅竹、太陽、承泣、風池、完骨

全身:肝兪、腎兪、合谷、太衝、足三里

これらを患者の体質・訴えに合わせて選穴し、微弱電流や温灸を併用して治療を行います。

特に「デスクワークで慢性的に目が疲れる」「頭痛や肩こりを伴う」タイプには、頸肩部と眼周囲の連動治療が有効です。

4. 臨床研究とエビデンス

国内外の研究では、鍼治療が眼精疲労に対して 涙液分泌量の増加・自律神経バランスの改善・視覚疲労スコアの低下 を示すことが報告されています(例:Itoh et al., 2007, Acupuncture in Medicine)。

また、パルス通電療法を併用した群では、視覚疲労の改善率が有意に高かったとする報告もあり、科学的な根拠も徐々に蓄積しています。

鍼灸は、目だけでなく「体全体の調和」を取り戻す治療です。

デジタル社会で酷使される身体を、自然な回復力によって整えるーーーそれが、現代における鍼灸の意義といえます。

 

セルフケアと予防

眼精疲労の改善には、治療と同じくらい「日常のセルフケア」が大切です。

小さな習慣を変えることで、目や体の負担を軽くし、疲労の再発を防ぐことができます。

1. 目を休める「20-20-20ルール」

パソコンやスマートフォンを長時間使うときは、20分ごとに20秒、20フィート(約6m)先を見る という「20-20-20ルール」を意識してみましょう。

遠くを見ることで毛様体筋の緊張が緩み、ピント調節がリセットされます。

2. 温めることで血流改善

目や首肩を温めると、血流が促進されて疲労が軽減します。

蒸しタオルをまぶたの上に1〜2分のせるだけでも効果的。

仕事の合間や寝る前に取り入れると、リラックス効果も得られます。

3. 姿勢と呼吸を整える

前傾姿勢での作業は首や肩の緊張を強め、目の血流を妨げます。

背筋を伸ばし、画面を目の高さに合わせましょう。

浅い呼吸も交感神経を刺激するため、ゆっくりと深く息を吐くことを意識するだけでも目の疲れは軽くなります。

4. 食事と睡眠の質を見直す

目の健康を支えるのは、ビタミンA・B群・E、そしてルテインやアスタキサンチンなどの抗酸化成分。

これらを含む緑黄色野菜や青魚を意識して摂ることで、視覚細胞の働きを守ります。

また、質のよい睡眠は眼精疲労の最大の回復手段。寝る直前までスマホを見ない、照明を落とすなど、環境を整えることが大切です。

5. 鍼灸による定期的なケア

日常的な疲れやすさが続く方には、定期的な鍼灸治療がおすすめです。

自律神経のバランスを整え、目の周囲や全身の血流を改善することで、「疲れにくい体」をつくります。

疲れを感じたときだけでなく、予防的なケアとして取り入れることで、集中力や仕事のパフォーマンスの向上も期待できます。

 

まとめ

眼精疲労は、現代社会では避けにくい症状かもしれません。

しかし、あなたの体は本来、休めば回復する力を持っています。

その回復を妨げているのが、日々の小さな「無理の積み重ね」なのです。

鍼灸とセルフケアで体のバランスを整え、疲れにくくクリアな目と心を取り戻しましょう。

「見える世界が明るくなる」――それは単に視界のことだけでなく、日常そのものが軽やかになるということです。

 

 

三茶はりきゅう院 内田

東急田園都市線.世田谷線「三軒茶屋駅」徒歩3

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